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このままだと日本の食文化が無くなっちゃう。
日本の食を少しでも昔の状態に戻し、残したい記憶や味を伝えていきたい。
菱江隆
キングフーズ有限会社はマルタファンクラブで販売している鶴田有機農園の甘夏を使ったドレッシングをつくってくださっている会社です。
代表取締役シェフの菱江隆さんは、時代の流れとして添加物の恩恵を受けつつも、それにより衰えていく繊細な「味覚」やそのことにより日本の「食文化」が失われようとしている状況を大変危惧されています。
菱江シェフはこの状況を変えたいと、将来に残したい食の記憶や味を伝えていく活動を精力的に行いながら、週末は現役のシェフとして腕をふるっている粋でかっこいい食のエキスパートです。
縁あって菱江シェフに甘夏ドレッシングを作っていただくことになったのでぜひ直接お会いできませんかとお願いしたら快諾いただき、熊本県阿蘇郡南小国町にある菱江シェフの工場にお邪魔して、お話をうかがってきました。
(インタビューには菱江シェフをご紹介くださったスーパーエネルギッシュな熊本っ子、合同会社オーガニックスペース代表の寺本惠子さんも同席してくださいました)
第一部
第二部
日本の昔の味をもう一度世の中に広めたい
(担当者)この度はインタビューをお受けいただきましてありがとうございました。本日はよろしくお願いします!
早速ですが、菱江シェフにとって無添加へのこだわりはどういったものでしょうか。
(菱江氏)僕は添加物を排除しようとかそういう考えはないんですね。
自分らの世代っていうのは添加物が無い時代で、僕らがそれを食べて大きくなっていったんですけども、でも添加物が無くってもやっぱり美味しいんですよね。
それが今は日本は添加物王国になってしまって、逆に「旨味調味料が入ってないと美味しくない」っていう世代の小っちゃな子が非常に増えてきていたんでですね。
僕、海外から急遽日本に帰ってきたんですけども、そもそもは、日本でコンビニに行ったときに、小学2、3年生くらいの小っちゃなお子さんがコンビニのフライドチキンを食べていたんですね。
(担当者)あぁ、私もそのフライドチキン大好きでよく食べてます(笑)
(菱江氏)レジに並んでいるときに、その子に尋ねたんですよね。僕これ好きなの?って。もう見た瞬間に添加物って分かったからですね。その子は「これが大好き」って言うから、「いやぁ、お母さんが作ってくれた料理の方が美味しいやろ」って言ったら「おんなじ」って言うたから、
(担当者)おんなじ?(お母さんも旨味調味料を使ってるってことかな?)
(菱江氏)ああ、これ、お母さん(手料理を)作ってないなと、買ってるなと。
(担当者)なるほど!
(菱江氏)で、そこからがスタートでした。一旦アメリカに帰ったんですけども、やっぱりそれがず〜っと気になってて。日本は和食が世界文化遺産に選ばれていた中で、本来の和食っていうのは味を見る舌がないと継続できないんでですね、これだったら、そういった小っちゃい子が大きくなった時に日本の食文化が無くなっちゃうよねっていうので、じゃあ日本に帰って来ようかなぁって。
日本の食を少しでも昔の状態に戻していけて、なお且つ、日本料理というものが永続的に文化遺産として残れるようになればいいなぁって考えて。それで日本に帰ってきてから、添加物廃止ではなしに、昔の味っていうのを再度世の中に広げることができたら良いなっていうので約20年前に帰国してきたんです。それからずっとそういう活動をしています。
(担当者)子供をもつお母さん向けに講演するとき、お母さん達の中には「そもそも無添加って何が良いの?」と思われている方もいると思います。そういった方にはどのような説明をされていますか?
(菱江氏)そのままパッと言っても伝わらないので、昔の味に戻していってるんです、という話をしています。昔は子供は外で元気に遊んで、怪我をしても治りが早い。食だけでなく全般的なことを考えてね、体の健康作りをしてるんですよと。その中の一つがたまたま食べ物なだけであって。
そういう風に説明したら結構分かってくれる。昔は添加物は無いでしょって説明するんです。でも決してそれで不味いって言われる方はいないですよって。
もっと分かりやすいのは、フランス料理って(お値段が)高いでしょと。あのフランス料理ってのは全て無添加です。添加物は国そのもので(規制があって)使えないからですね。でも、なんか美味しそうでしょ、って。まぁ、実際に美味しいんですけどね(笑)
添加物王国日本
(菱江氏)余談になるんですけども、去年度、日本で許可されている添加物は1600種類を越えています。EU諸国なんかは一番最高でも20種類くらいです。日本が1600種類ですから、いかに日本が多いかっていうのが分かると思うんですね。大国のアメリカですら650種類くらいしか許可されてません。だからそれからしても日本は倍以上ですから。
それで日本が添加物を止められないっていう理由は結局大手さんですね。そこをストップしてしまったら、日本の国そのものがもう大変な事になってしまう。日本の国自身がもうストップかけられない状態なんですよね。
(担当者)ヨーロッパの方が一般の人が添加物に対して見る目が厳しいのでしょうか?
(菱江氏)そうです、だから日本の加工品はヨーロッパには入らないですよ。送るのは送れるけどストップがかかります。結局国で認められて添加物が入っているんでね。お野菜とか果物は入ってますが。食品加工品の場合は特に難しい。
(担当者)このような状況になってしまったのは日本のコンビニ文化の影響が大きいのでしょうか。
(菱江氏)世界にもコンビニはありますし、もちろんヨーロッパにもありますけど、基準はクリアーしてます。やはり大手さんの影響が大きいです。今、日本のスーパーなんかでも無添加って書いてるのも結構ありますが、後ろの表示ラベルをみたら「/(スラッシュ)」(※)が入ってるんですね。スラッシュが入ったらもう無添加じゃないんですね。
※スラッシュルール:商品の原材料表示ラベルに、原材料と添加物を分けて記載する表示ルール。添加物が含まれる場合には/の後に添加物を記載する。
(担当者)ということは、無添加と書いてあっても完全な無添加ではない場合があるのですね!?
(菱江氏)はい、殆んどの場合添加物が入ってます。今度、無添加表記をやめましょうというのを大手企業が国と協議しましてそれが認められた。無添加って書くと自分とこの他の商品が売れなくなるから。
(寺本氏)消費者は何を信じて買えばいいんでしょうか...。
今のままだと絶対味覚の子は出てこない。
(担当者)子供の味覚が10歳くらいで決まるという話がありますが。
(菱江氏)昔はね、だいたい小学4年生から5年生くらいまで大丈夫だったんですけど、今はもう2年、3年生くらいにまでなってきてる。やっぱり成長過程が早くなっているから。
それで、今、小学生低学年の子なんかには子供向けの分かりやすい講演をさせてもらってます。もちろん、子供が料理を作れるわけではないので、文化祭とか運動会の後とかに、父兄同伴のもと講堂とか体育館に集まってもらってそこで講演させてもらったりしてるんですね。小さいときに少しでも添加物を食べないで自然のものから美味しさをとりましょうって形でですね。
(担当者)10歳で味覚が決まってしまうということは、それ以降は大した改善はしないのですね。
(菱江氏)はい、だから今の小っちゃい子で、絶対舌を持つ子っていうのは、多分生まれてこないです。今の添加物の状態であればですね。
(担当者)絶対舌(ぜったいたん)っていうんですね。絶対音感みたいな。
(菱江氏)分かりやすく言うと絶対味覚ですよね。日本人の舌は世界ナンバー1なんですよね。食べた瞬間に何と何と何が入っているっていうのが、隠し味がこれですってところまでだいたい分かるのが日本人なんで。
できるだけいろんなものを使わない、素材たっぷりのドレッシング
(菱江氏)無添加イコール(値段が)高いって思われてますけど、確かに普通の添加物入りのものより高いですけど、じゃあそれが無茶苦茶高くなるかっていうと、それは無いですからね。
それよりも僕らは本当の自然材料を豊富に使ってあげるっていうやり方でいろんなものを量産していきよるんですよね。やっぱり人間の体内に摂取するものって必要じゃないですか。それが今足りてないのが現状なんでですね。だから我々が作るドレッシングなんかは野菜を最低でも50%以上入れようと。
(寺本氏)ここに人参の(ドレッシング)がありますけど、これなんてドロドロでしょ。それにこのトマト(ドレッシング)の方はもうケチャップなんですよ。これドレッシングというよりケチャップですよねっていうくらいにいっぱい入っている。私卵焼きにかけたんですよ。そしたらちょー美味しい。あたしが口挟んであれなんですけどね。もうドレッシングって言っていいのかソースって言っていいのか、分らない感じ。何て呼べばいいのか。
(菱江氏)EC諸国は、ドレッシングとソースの境目って無いです。日本はドレッシングってついたら野菜にかけなきゃいかんっていうイメージですけど、ヨーロッパなんかはそのけじめが無いです。カルパッチョの液なんかはまさしくあれドレッシングなんですよね。オリーブオイルとレモンと塩ですけど。あれ、瓶に詰めで振ったらドレッシングなんですよね。
(担当者)このドレッシングはサラダだけでなく色々な使い方ができるのがポイントなのかなぁと思ってまして、水で割るとかそういう使い方もできますか?
(菱江氏)はちみつレモンで割ったらめちゃめちゃ美味しかったですよ。
(担当者)使っている調味料も無添加ですよね?
(菱江氏)もちろんそうです。普通メーカさんが商品開発するとき、あれを足したら、これを足したら、っていう風に商品を開発していくんですね。僕らの開発ってのは、できるだけいろんなものを使わない。だからマイナス、マイナス、マイナスにしていくんですね。だから、裏ラベルの内容が非常に少なくなっていきます。
ただ、その分技術がいるんですけどですね。できるだけ調味料を減らしていって、で、本来のトマトだったらトマト、人参だったら人参っていうのを出来るだけ味を活かすっていうやり方にしてるんです。まぁその為に50%以上になるんですよね。
(寺本氏)人参ドレッシングなんて野菜の割合が73%以上もあるわよ。
(担当者)えーっ、ほとんど人参。
(寺本氏)それでね、これを人参のきらいな子が食べると。うちの孫が食べると。
無添加でも賞味期限を保てる秘訣とは?
(担当者)人参以外は玉ねぎとか、あと酸味はレモンが入っているのですか?
(菱江氏)はい、結構レモンは多いですね。それと、レモンだけだと、保存料を入れないので、だからやっぱり酸味が足りない。それでお酢とか、そういったものでpH(ピーエッチ)を下げていかないと賞味期限が半年持たないんですね。これ、大手さんが皆聞きにきまして、「なんで保存料いれないで半年持つんですか」って。実質的には、これ9か月本当は持つんですね(※)。でも、それを(安全を見て)敢えて短い表示にしているだけで。
※製造時点の賞味期限です。販売時は4ヶ月以上となっております。ご購入後は商品に記載のある賞味期限を必ずご確認ください。
(寺本氏)先生、余談ですけどメーカーがそういうの聞きにきたときは教えるんですか?
(菱江氏)教えません。聞きにきたら言うんですよ。それなら今の商品を全部無添加に入れ替えるだけの気持ちがあるんですか。できないでしょ。一個でも(無添加商品を)作ったらそれを強調するでしょ。だからそれはできませんと言います。
ヨーロッパなんかでは添加物を使えないので添加物が入ってないものがスーパーさんでどこでも売ってます。pHの調整で常に新しい菌が出たら酸で殺菌していきよるんですね。
(担当者)そのpHの数字は全部同じなんですか?
(菱江氏)一応、最低基準があるんで、それ以下にもっていかないと、うちも(最長で賞味期限)6か月で謳っているんで、それ以下にはなっています。
(担当者)柑橘のジュレみたいなものも作れますか?
(菱江氏)全然できますよ。
(担当者)パウチのような入れ物に柑橘ジュレを入れて売っている商品が多いですよね。
(菱江氏)ジュレは普通煮凝りか、もしくはゼラチン質のものを使うんですが、ゼラチンは使えないんですよ。ゼラチンというのは添加物なんです。だから海藻で作ります。
(担当者)ジュレでも180日の賞味期限が設定できるんですか?
(菱江氏)そこはやってみないとですが、賞味期限を延ばすには糖度を上げるか、pHを下げるかなんですよ。ジャムなんか日持ちするじゃないですか。あれは糖度を50%以上に上げてるんで。
日本は添加物に頼りすぎてるから、本来分かってるんですけども作り方そのものに時間がかかるんでやっぱりしないんですよね。だから真夏なんかはpHを抑えて糖度を上げるんです。昔の人はものを腐らなくするためにいろいろ工夫していてですね。だからワサビとか、ああいうのも保存食なんで、わさび漬けとかありますよね。
(担当者)糖度を上げる方法でも賞味期限を延ばせるんですね!?
(菱江氏)そうです、だからジャムがそうです。ジャムなんか腐らない。
(担当者)確かに、はちみつが腐ってるのも見たことないですね。
いろいろな使い方を試してみたくなるドレッシングです
(担当者)今回作っていただいた甘夏ドレッシング、ゴールドの方は野菜に、ブラックはお肉に合うドレッシングをイメージして作られたんですか?
(菱江氏)僕の場合はね、何に合うというより総合的なイメージで作り上げるんです。
(担当者)どんな料理に合うかというより、ドレッシング自体をどういう味にするかというイメージですか?
(菱江氏)はい、イメージはもちろんあります。
(寺本氏)先生、あれね、使ってみて肉にとても合うんですよ。だから名前変えてもいいんですか?
(菱江氏)全然大丈夫ですよ。
(寺本氏)こっち(ゴールド)をドレッシングって言って、こっち(ブラック)をソースって言って先生の所にこのラベルでお願いしますっていっても大丈夫ですか?
(担当者)はい、全然大丈夫ですよ。
(寺本氏)じゃけんね、名前変えた方がいいかなぁって、私はちらっと思ったわけよね。こっちの方(売る側)がお肉にいいですよって言っても、「いやドレッシングだろ」って思われる。やっぱ、あたしみたいに頭の固い人は、これは野菜に使わんといかん、みたいに思い込んでしまうでしょ。ちょっと名前を変えて、ドレッシングだけど(お肉にもあう)ソースができました、みたいなのでも、先生が許可していただければ名前を変えてもいい。
(菱江氏)はい、全然大丈夫。先ほども言ったようにヨーロッパなんかはソースとドレッシングの基準がないです。日本人はどうしてもドレッシングというと野菜にかけるというね、そのイメージがあるもんでね。まぁフレンチなんかは、原料よりもどちらかというよりもソース命なんで。ソースで全て味が変わるというのがフレンチなんでですね。
(寺本氏)じゃあ量も結構かけるんですか?ソースのときは。
(菱江氏)かなり。ベースで使って、最終にまたデコレーションで格好よく流したり。シャドーってやり方なんですが、いろいろあります。
(担当者)甘夏ドレッシングの使い方で、漬けるとか、あとちょっと勿体ないですけど、下味として使うこともできますか?
(菱江氏)できます、できます。
(担当者)肉に使うのがいいですか?
(菱江氏)肉でも魚でもお野菜でもできるんですけど、肉なんかは、柑橘系だから肉そのものをつけこんだら柔らかくなります。玉ねぎなんかと一緒なんでね。
(担当者)下味として味もつくし、ということですね。めちゃくちゃ贅沢な使い方ですね(笑)。ドレッシングのパッケージに何種類くらいのレシピに使えます、という数字を入れるために、できるだけいろいろなレシピを試そうかなと思っています。使い方の提案をたくさんすることで、ドレッシングとしてだけでなく、様々な料理のバリエーションを楽しんでもらえると思うんです。
(菱江氏)料理得意なんですか?
(担当者)得意ではないんですけど、得意な友達がいます(笑)
(菱江氏)あー、得意な友達が。
(担当者)はい。自分でも頑張っているんですけど、あまり上手ではなくて。
(菱江氏)上手だったらものが売れなくなるんで、あまり上手でない方が良いですよ(笑)
生涯現役でいたい
(担当者)すみません、ここで写真撮らせてもらってもよろしいですか?
(菱江氏)はい、構いませんよ。今日はスーツ着といて良かった。
(担当者)凄い素敵なスーツです。ブローチも素敵ですね。
(寺本氏)初めて見るもん(スーツ姿)。
(菱江氏)いつもはジーパン履いとるから。基本、現職なんでですね、いつも仕事に取り掛かれる恰好しとるから。
(寺本氏)講演もしながら厨房にも立たれるじゃないですか。
(菱江氏)生涯現役ってのが自分の考えですから。味の問題なんですよね。常に作って、味見を、チェックをしとかないと。スポーツでもそうですけど全然鍛えとかなかったら衰えてくじゃないですか。
(寺本氏)あ、舌もそうですか。
(菱江氏)たぶんそうかもしれないなぁと思うとるんですけどね。
(寺本氏)だからそういう思いもあって厨房にも立たれてるんですね。いやぁ大変だろうと思うもんだから、でもお好きなんですね。
(菱江氏)うん、好きでないと。1年365日仕事してますから。
(寺本氏)ですよね。だって土日はこっち(工場)はお休みだけどお店(※)があるじゃないですか。
※菱江シェフは週末は「地鶏の炭火焼 鳥王」という地元で経営されているお店の厨房に立たれます。
(菱江氏)3時、4時にはお店にはいるから。お店は(夜の)11時まで。ずっと仕事してます。
(担当者)ご自身のお食事はどうしてるんですか?
(菱江氏)娘が作ってくれてます。味の注文は一切しません。作ってくれなくなったら困るから(笑)。仕事では、自分らで開発したもの、作ったものは一切食べません。飲み込まないで、口に含んでチェックするだけ。毎回飲み込んでたら味が分からなくなるので。スープは喉ごしのチェックのためにスプーン1杯は飲み込みます。
(担当者)厨房を拝見してもいいですか?
(菱江氏)はい、どうぞ。基本、うちの厨房は加工工場のつくりではなくホテルの厨房のつくりなんですよ。私はホテルあがりなので。手作りを目指しているので。もう結構ここで長いですよ。17年とか。
(担当者)最後に、菱江シェフが取得されているフードマスターの資格は和食、フレンチ、イタリア、中華の4種類の分野があるかと思います。どれかのジャンルで、どういう料理に使ったらこのドレッシングに合いそうというのがあれば教えてください。
(菱江氏)フレンチで、椎茸の大きいのをオリーブオイルで炒めてもらって、塩コショウだけしてもらって、フライパンから上げる前、最後の仕上げにブラックの方をフライパンの中の椎茸にかけてもらうだけで美味しいですよ。あと、椎茸は原木を使うと特に美味しい。全然違いますよ。私は人より少しは料理の知識があるので、言っていただいたらすぐにアドバイスできますよ。
(担当者)(笑笑笑)ありがとうございます!これから帰って甘夏ドレッシングに合う料理のレシピ作りに取り組んでいきたいと思います。良い商品が作れるよう頑張ります。引き続きよろしくお願いします。
菱江シェフがこの地を選んだ理由が水の清らかさでした。
そこで、インタビューを終えた我々は、名水で有名な阿蘇の水源の一つ池山水源に立ち寄りました。
水源域に入ると充満したマイナスイオンが心地良く、そこには、冷たく澄んだ水を湛えた池がひっそりとたたずんでいました。
苔むした幾重ものみどりに囲まれた池は、神聖な雰囲気を醸し出し、正にこの地の水の清らかさを実感したのでした。
- Profile -
菱江隆
ひしえ・たかし。1955年、神戸市生まれ。キングフーズ有限会社、代表取締役兼シェフ。
明石高専時代に飲食店でアルバイトを経験。卒業後、設計士として働くも、やはり料理の道で生きようと和食の料理人に。36歳で「フードマスター」ライセンス取得後、海外で高級ホテル開業にあたり総料理長を含むシェフの指導、育成を行う。元日本大使館・領事館料理長。
現在は熊本県の南小国にて食品加工を専門とした工場と炭火焼「鳥王」を経営。個人飲食店から外食チェーン店への料理・経営指導、食品加工会社顧問なども担う。
講演会などを通して食の安心、安全、無添加料理の提案を行っている。
無償の愛、手間伱かけて作ってくれた母の料理、”母ごころ”を受けた幼い頃の記憶が料理の原点。素材の持つ美味しさを活かして体に負担の少ない味付けで、食べる人の健康まで考えたい。
料理人として日本の「食」の将来を考え、海外と日本の添加物への意識の違いに疑問を持つ。時代の流れとして添加物の恩恵を受けつつも残したい記憶や味を伝えていくことを信条とする。